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「合体シリーズ」とは


「アオシマ」が送り出したヒット商品シリーズ
静岡にある「アオシマ」こと青島文化教材社。初代社長である青嶋次郎が「青島飛行機研究所」を設立してから今年で創業96年を迎えます。会社設立としては1961年で間もなく60年。いずれにしても、タミヤ、ハセガワなどと並ぶ老舗模型メーカーのひとつであるのは間違いないでしょう。
同社はその1961年から本格的にプラモデルの開発・販売を開始しました。スケールモデルでは静岡4社共同の「ウォーターライン」。カーモデルでは「デコトラシリーズ」など、未だに続くものもあります。その後もガレージキットやキャラクターモデル、完成品フィギュアなど長年にわたり精力的にチャレンジしています。
その数多ある商品の中でもひと際異彩を放つのが「合体ロボット」「合体マシン」シリーズです。
1974年に『マッハバロン』で初めて「合体」シリーズを発表・販売。翌年にはヒット商品シリーズとなり「合体ロボット」「合体マシン」は同社の十八番となります。

今のスタンダードを発売当時から取り入れていた「合体シリーズ」
主に「合体ロボット」は、ロボットを頭・胴体・両腕・両脚に分割したもの。一方「合体マシン」は発売当時流行の宇宙戦艦やスーパーカーを4分割したシリーズです。
シリーズ最大の特徴はそれら4つのプラモデルを組み合わせて1つのロボットやメカを作ることではありますが、何よりも1990年代後半から続くキャラクタープラモデルのスタンダードとも言うべき仕様が45年も前にすでに取り入れられていたことでしょう。
ランナーごとに色が違う「多色成形」、接着剤が不要で簡単に組み立てられる「スナップフィット」という、昨今のキャラクタープラモデル世代であればなじみのある仕様が施されています。
実際には当時の子供たちに安価で簡単に楽しめるプラモデルを考えての仕様ですが、その後のキャラクターモデルの多くが採用しているのですから、驚かされます。
さらに驚かさせるのは、5ミリの共通ジョイントを使用していた点です。これによって、自由自在の組み合わせが可能なのは言うまでもないですが、統一された仕様によって他社商品との組み合わせも可能としたのです。
大胆な分割などによってマシンの上にロボット頭部だけが載っているメカなど独自の個性を見せてくれるところもこのシリーズ“らしさ”なのでしょう。もっとも、これも当時の子供たちには違和感はなく受け入れられたようです。
一方でそのような設定を無視した商品が発売されることによって、大量の余剰パーツが出ることになりますが、それを逆手に取った公式設定で「合体巨艦ヤマト」なども生まれています。


10年以上続いたシリーズの現在
シリーズはスタートから約10年以上にわたり、テレビの特撮キャラクターに始まり、オリジナルキャラクター、実在するスーパーカーにいたるまで当時流行したものに独自の工夫を加え、ひとつの世界観に取り込み続けました。
これらは正に「オリジナルIP」の先駆けとも言えるもので、世界的にも他に類を見ないシリーズと言って過言ではないでしょう。しかし、何度か再販やリデコ(成形色違い)、「NEOミニ合体」シリーズなどを経て80年代前半には実質的に終了しています。
「アトランジャー」とは


「アトランジャー」の誕生
アオシマが1974年にスタートさせた「合体ロボット」プラモデルから誕生したオリジナルロボットです。
「合体ロボット」シリーズは当初『マッハバロン』など、テレビの人気キャラクターをモチーフにしていました。しかしその後、版権に左右されない自社オリジナルキャラクターも商品ラインナップに加えることとなります。そこで最初に発表されたのが、1975年発売した「アトランジャー」です。

これを皮切りにゴダイガーなどオリジナルロボットを順次発売していきます。アトランジャーはテレビ媒体に頼らないオリジナル企画にも関わらず人気を集め、シリーズ化されることになったのです。ちなみにこれらのロボットをデザインしたのは、アオシマの三代目社長・青嶋正夫によるものです。
シリーズは様々な展開がされ、搭載可能な小型のアトランジャーが付属した合体タワーマシン「タイガーシャーク」や、デザインをリニューアルしたニューアトランジャー(1981年)、発展型アトランジャー(1982年)なども発売されました。
他にも「アトランジャー」を含む合体シリーズが登場するコミックなど、メディアミックスも行われています。
「アトランジャー」
ストーリー
今から遡ること約8000年前、地球には現在よりもはるかに進んだ文明をもった人種が存在していた。大西洋中央部に位置していたとされる「アトランティス大陸」に住む人々であった。自由と平和を愛し、人種差別も貧困もなく、太陽光エネルギーを利用した災害や公害もない、正に理想郷ともいえる世界を創りあげていたのである。
しかし、全宇宙を支配しようとする暗黒星軍団が地球侵攻を開始。圧倒的な攻撃力をもつ戦闘軍団を使って地球全土を攻撃する。
窮地に立たされる中、アトランティスの預言者パルーは、科学者ピカール博士の発見した超金属オリハルコンを使い巨大な守護神を建造、「合体ロボット アトランジャー」が誕生する。
地球は守護神アトランジャーで反撃し、暗黒星軍団は宇宙の彼方へ追われる。しかし、アトランティス大陸もアトランジャーと共に地球の大規模な地殻変動のため海底深く沈んでしまう。
時は流れ西暦2500年、再び暗黒星軍団が地球に接近。時同じくして蘇ったアトランジャーは最新科学技術を結集した合体母艦タイガーシャークを旗艦にアストロン、ドライガー、バイオスの合体ロボットチームと共に戦うことになる。
アトランジャーはブロークンカッター(剣)とミラクルディフェンダー(盾)で武装し、「ロケットクリッパー」という拳が飛び出し相手を倒す必殺パンチを持つ。また、背面には飛行用のレッドウィングを備え自力で飛行が可能。「グランドタイガー」、「マイティバード」、「レッドクリッパー」、「ターゲットキャリア」の4つのメカに分離でき、それぞれ4人のパイロット(飛鳥 賢、亮 一人、紅 剛一、五十嵐 誠)によって操縦される。

合体プラモデル
“アトランジャー”と私



短い言葉で「アトランジャー」について語るのはとても難しいのですが、何よりもまずは長い付き合いとなる特別なロボットであるということです。
「アトランジャー」は1975年に発売されたので、私とはほぼ同年齢であります。この製品がどのようなプロセスで生まれ、開発されていったかは既に書籍等でご存じの方も多いと思います。
既成概念を凌駕したユニークなプラモデルはアオシマの社員によって考案され育てられ、「タイガーシャーク」や「合体空母レッドホーク」などのシリーズに展開してゆくのですが、振り返れば現在の私たちが進めている仕事のやり方やスピリットはこの時代のプラモデルにならう点がとても多いことに気が付きます。
一見、むちゃな発想と思える内容も皆で話し合い、煮詰めて新機軸を次々と投入。「アトランジャー」には開発者たちの心が込められています。それは日常から思いついたバックストーリーの中で自在に活躍する役者でもあり、正義の味方という大義を背負った希望の勇者であったり。インパクトや楽しさを織り交ぜて、購入してくださる子供たちの笑顔だけでなく販売店様や問屋様、そしてアオシマの社員自身も楽しめるような製品として日本中を駆け巡ったロボットという感覚ですから私自身、「アトランジャー」はいつも傍らにいる友達、兄弟のようなつもりで見ています。一緒に酒でも飲めれば何か面白いことでも語れそうな、そんな気持ちになることもあります。
さて、“アトランジャー”という名称は当時、社内コンペによって決定したのですが製品のコンセプトは極めて単純明快、そして芯が通った内容でした。
- 誰でも作れるプラモデル
- 間違って組み立ててもやり直せる
- 多色の成型で色を塗らなくてもカラフルなマシンが完成
合体という構造を利用し、部品を分けて販売することで子供たちは夢に向かってコツコツ買い足してゆくという楽しさやワクワク感を得たのではないでしょうか。「アトランジャー」は最初は少数派だったことと思います。しかし、やがて友達同士で合体遊びが流行りだし、交換したり比べたり。組み立てた後、合体の夢はさらに広がりました。単体でも取り敢えず機能する構成は、子供たち自身が考えるストーリーに一役買いました。
このようなテーマが「アトランジャー」のベースにあるわけですが、当時の技術や発想でスナップ構造や、ちぎりやすいゲートなどを実現するために相当な苦労があったことは容易に想像できます。当社に限らず多くのメーカーが競って技術を投入したことが、現在の精巧なプラモデルの製品群につながっているわけで先輩たちが育んできたアオシマスピリットは継承していきたいと考えています。
現在の企業理念を読むと、「アトランジャー」の開発物語がそっくり当て嵌ります。お客様のご意見をしっかりと伺い、これからも社員ともどもアトランジャーのように強く、優しく、変幻自在。ユニークで皆に愛される会社として成長し続けるとともに新しいコトに挑み、感動と満足を呼び起こすことのできる製品を作ってゆきたいと思います。
株式会社青島文化教材社 代表取締役 青嶋大輔
- 2020年3月22日〜28日開催の「アオシマ 合体ロボット&合体マシン ボックスアート展」より
「新・合体シリーズ」始動


新たなテーマ=「美少女」
アオシマ創立96周年記念として「合体ロボット」「合体マシン」がよみがえります。第1弾は1975年に登場し人気を博した「アトランジャー」です。
合体シリーズは、その時代時代の流行を自らのフォーマットに取り入れていくというスタイルで進化してきました。そこに新たなテーマとして取り入れるのが「美少女」です。
美少女とアトランジャーを結びつけるものこそ、新シリーズの「核」となっていきます。
設定
キャラクター
-
アトランジャーAtlanger
古代アトランティス大陸で建造された巨大ロボット
-
穂鷹アトリ(ほだか・あとり)Hodaka Atori
私立ムー大陸高等学校 2年生 16歳
ストーリー
遥か未来……
長きにわたり決着のつかなかったアトランジャー率いるレッドホーク艦隊と暗黒大王との最終決戦が行われていた。
レッドホーク艦隊から繰り出すあらゆる兵器・必殺技を使っても暗黒大王は微動だにしない。満身創痍のアトランジャーは最後に残った神の力を使い「次元ゲート」を発生させた。暗黒大王が誕生した過去にジャンプするために。
暗黒大王のとどめの一撃を受け、半壊しながらもゲートを抜けるアトランジャー。後を追う暗黒大王もゲートのセキュリティを突破するため、変異。2体が抜けた直後にゲートは破壊され消滅した。
そして現在……
ムー大陸高等学校に通う2年生、穂鷹アトリは学校の敷地内で見たことのない異形の小さな人形を発見する。いや、見えない力で引き寄せられたと言うべきか。
そして、この出会いがやがて起こる新たな戦火の扉を開く鍵になるとはアトリは思いもしなかったのであった。
STAFF
原作・企画・発売元:株式会社青島文化教材社
企画・設計:合同会社ランペイジ
デザイン:貞松龍壱
編集・プロモーション:合同会社はるばる
ホームページ制作・運営:株式会社イロコト